シーズー

その性格はマイペースで、どちらかというと猫に近いとされているほど。
独立心が旺盛で頑固な面があり、あまり感情を表に出すタイプではないようです。
通常はゆったりと構えていて、とても落ち着いているので、室内犬として飼うことに適しています。

ペキニーズは飼い主やその家族にとても忠実で、深い親しみを示します。
しかし見知らぬ人とは距離を置き、打ち解けるまでにかなり時間がかかるといった警戒心も備えていますので、番犬にも向いているといえます。
また頑固だったり、気分屋だったりする一面もあるため、悪い癖などを付けないよう、はじめのしつけが重要になります。

暑さに弱い犬種なので、真夏はクーラーをつけた環境で飼育し、熱中症には注意が必要です。
被毛のお手入れは、アンダーコートが絡まないように定期的なブラッシングが必要となります。
また顔周辺のシワには汚れが溜まりやすく、皮膚疾患やがん疾患を発症する可能性もあるので、とくに食後には顔周辺を柔らかい布でふくなど、いつも清潔に保つよう心がけましょう。

ペキニーズはあまり運動を必要としない犬種ですし、散歩が苦手という側面があります。
健康のためには毎日適度な運動が必要ですが、胴が長い体型であるため、椎間板ヘルニアになりやすいので注意しましょう。 また大きく突き出た目は傷つきやすいため、眼球の突出や角膜の損傷といった病気にも注意が必要です。

間隔のあいた目、ふんわりとした毛並み。
とっても愛嬌があって可愛らしいペキニーズですが、じつはとても高貴な出自をもつ犬種。

「獅子犬」と呼ばれることもあるペキニーズは、獅子を釈迦のシンボルとした中国のラマ教と深いかかわりをもつといわれています。
中国では歴代の皇帝に献上物として贈られ、宮廷では長くその犬を門外不出として改良し、皇帝や皇后の愛玩犬としていました。
唐の時代にはその繁殖が宮廷宦官の後援によって行われ、一般庶民はその犬を崇拝し、神のように扱ったそうです。
ペキニーズは「袖犬」と呼ばれることもあり、これは中国の王族が袖に入れて連れまわるほど可愛がったという話からきています。

1960年のアヘン戦争の際、イギリスへと渡った戦利品のなかには5頭のペキニーズが含まれていました。
このときイギリスへと渡ったペキニーズのうち1頭がヴィクトリア女王に献上され、以来イギリス王侯貴族の愛玩犬として飼育されるようになります。

その後しばらくは裕福な人々のための犬種として愛されていましたが、ドッグショーにも出陳され、広く一般に知られるようになりました。
いまでは世界中で人気者となったペキニーズは、家庭犬、愛玩犬、ショードッグとして、多くの愛好家に育てられています。